クワガタのススメ

昆虫の魅力を多くの方に伝えます

ヤマトサビクワガタ

ヤマトサビクワガタ Dorcus japonicus

 

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ザラついた体表に土がこびり付き、錆のような色あいをみせる

土に塗れたつぶらな瞳と小さな顎がなんとも可愛らしい

Dorcus属の中でも少々異質なクワガタ

 

徳之島のみに生息し、現在は本種の採集が禁止されている

現在は採集規制前に採集された個体の子孫のみが市場に出回っている

 

飼育は容易で、飼育温度さえ整えればコクワガタと同じ要領でブリード可能

 

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動きが鈍く、餌もあまり食べない

とても控えめなクワガタである

ツヤハダクワガタ

ツヤハダクワガタ Ceruchus ligunarius

 

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艶肌の名の如く、漆を塗ったかのような見事な艶を纏う

上翅は深く彫刻が刻まれ、20mm前後と小さいその体のフォルムは正に異形

 

標高の高い場所に生息し

マダラクワガタ同様、赤枯れの倒木や立枯れに見られる

北海道から九州まで広く分布し

産地によって顎の形状が僅かに異なる。

栃木県以北のツヤハダは原名亜種にあたり

群馬県以西の本州の個体群はミヤマツヤハダクワガタ

四国・九州の個体群はミナミツヤハダクワガタと呼ばれる

 

写真の個体は筆者が静岡県で採集した

ミヤマツヤハダクワガタ20mmUP個体

 

飼育方法は未だに確立されておらず

高標高と赤枯れが重要な要素であると考えられるので

低温で管理し、赤枯れ材を供給できればブリードは可能なのではないか

 

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まるで大きなクワガタを20mmにまで凝縮圧縮してしまったような姿

顎の内側に生える褐色の毛がなんとも素晴らしい

マダラクワガタ

マダラクワガタ Aesalus asiaticus asiaticus

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国内最小のクワガタ

約5mm程度の褐色の体に黒いマダラ模様が刻まれ

其のいでたちは、宛ら小豆の如く

所見の場合、誰がこれをクワガタと判断できよう

 

比較的標高の高い場所に生息し

赤く枯れた倒木や立枯れに見られる

 

伊豆大島に産する個体は例外的に低標高の地域に生息する

今回の個体は筆者が伊豆大島の材割で採集した個体となる

 

飼育についての情報が少なく、飼育難易度は高いと言われているが

生息地の赤枯れを使用し、飼育温度を25度以下に保つことが出来れば

ブリードは可能と思う

 

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他のクワガタほど顕著ではないが

雌雄間でわずかに顎の形状が異なる

♂の顎は比較的大きく発達し、上方向に湾曲する

 

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左が♂、右が♀

 

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日本最小のクワガタの座にありながら、子供達には認知されぬ悲しき虫

容易に飼育や採集が出来ない種ではあるが

愛すべき立派な国産クワガタである

アカアシクワガタ

アカアシクワガタ Dorcus rubrofemoratus

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比較的標高の高い場所に生息するDorcus属のクワガタ。

その名のとおり足が紅く染まり、裏返せば他のクワガタと一目瞭然。

 

日中に高山地帯のブナやヤナギにみられ、

ヒメオオクワガタと生息地が混同していることもある。

 

飼育はコクワガタと同じく比較的簡単

主に産卵木に産卵し、幼虫は孵化した翌年頃に成虫となる。

 

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表は漆黒の艶を纏い、裏は鮮やかな紅が目を引く。

その光沢には、コクワとは違う高級感がある。

 

コクワガタ

コクワガタ Dorcus rectus

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クワガタの中でも冬を越すことができるDorcus属に属している為、

上手く飼育すれば2~3年は生き続ける。

成虫は5月~9月頃に樹液に集まり、幼虫は広葉樹の朽木内にみられる。

 

丈夫な種類の為、飼育も容易で、餌と市販の産卵木を

飼育ケースに入れておけば、産卵木をかじって産卵する。

♂♀のケンカも少ないので、♂♀同じケースで飼育が可能。

 

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アゴは細く伸び、一本の小さな内歯をもつ。

 

たかがコクワガタ、されどコクワガタ

 

艶消しの漆黒の中に仄かにワインレッドが混ざり、

裏の黄金の毛が程よい良いアクセントとなる。

平べったいフォルムは狭い樹洞に潜り込むのに適しているのだろう。

 

改めて眺めると、良いクワガタである。